約 4,536,604 件
https://w.atwiki.jp/actors/pages/12606.html
ヒントン・バトルをお気に入りに追加 ヒントン・バトルのリンク #blogsearch2 ヒントン・バトルとは ヒントン・バトルの78%は欲望で出来ています。ヒントン・バトルの10%は食塩で出来ています。ヒントン・バトルの8%はやましさで出来ています。ヒントン・バトルの2%は心の壁で出来ています。ヒントン・バトルの1%は野望で出来ています。ヒントン・バトルの1%は勇気で出来ています。 ヒントン・バトル@ウィキペディア ヒントン・バトル ヒントン・バトルの報道 吉本興業の学生による年に1回のお祭りイベント 「よしもとアカデミー学園祭2021」 初開催決定! - PR TIMES ヒントン・バトル ダンスアカデミー「HBDA 毎日5分ダンスレッスン」HIPHOP、TAP、BALLET 初心者、子供から大人まで。プロの講師陣による指導でダンスの基本が、毎日自宅で学べます! - PR TIMES ヒントン・バトル ダンスアカデミー WORKSHOP開催決定!テイラー・スウィフトらのダンサーとして有名な“Toshi”が日本で初のワークショップ参加! - PR TIMES ヒントン・バトル ダンスアカデミー4期生オーディション開催オーディションに先駆けHBDAのレッスンを体験する無料ワークショップを全国で開催します! - PR TIMES ヒントン・バトルダンスアカデミーまもなく公演開催。現在3期生募集中! - PR TIMES 「ヒントン・バトル ダンスアカデミー」2期生発表 最年少は17歳 - 東スポWeb ヒントン・バトルが語る、傑作ミュージカルに不可欠な5つの要素とスクール開校の理由 - リアルサウンド ゆりやんレトリィバァ、ブロードウエイの重鎮にダンスで猛アピール - マイナビニュース 吉本興業 × ヒントン・バトルのダンス学校がいよいよ開校 ゆりやんレトリィバァも強烈ダンスで祝福 - リアルサウンド 吉本とトニー賞の名優 ダンスアカデミー開校の狙い|NIKKEI STYLE - 日本経済新聞 吉本興業、なぜダンスアカデミー設立? 最終審査の様子からその意義を読み解く - リアルサウンド 冬のソナタ またでるよ 冬のソナタ 韓国KBSノーカット完全版 DVD BOX(初回限定 豪華フォトブックレット&スペシャル特典ディスク付) 本当に長い間、待たせてごめんなさい。「冬のソナタ」韓国KBSノーカット完全版をいよいよお届けします。 映像は韓国KBSのオリジナルそのままに、音楽に関してもユン・ソクホ監督が想いを込めて監修し、一部楽曲を変更しました。初回限定特典にはぺ・ヨンジュン 独占インタビュー/ユン・ソクホ監督&田中美里の対談スペシャルDVDの他、DVDオリジナルポストカード、シリアルNo付 豪華フォトブックレット(20P)を封入しております。 今までの日本用編集版よりも約166分長いノーカット映像(本編後のエンドロールも収録!)に加えて、映像特典の【スペシャル短編集】には、ペ・ヨンジュンのスノーボードシーンの撮影風景も収録しています。 【ここが違う!8つのポイント】 ◆今までの日本用編集版よりも約166分長いノーカット映像(本編後のエンドロールも収録!) ◆ファン待望の「ダンシング・クィーン」「白い恋人たち」をついに収録。 ◆日本語吹替を再収録。萩原聖人さん、田中美里さんが担当、その他主要人物もなつかしいあの声で。 ◆本編は日本語字幕に加えて韓国語字幕も収録 ◆一部変更した楽曲をユン・ソクホ監督が想いを込めて監修!(一部BGMはオリジナル版より変更されています) ◆<初回限定特典1>スペシャルDVD:★ぺ・ヨンジュン 独占インタビュー/★ユン・ソクホ監督&田中美里の対談 ◆<初回限定特典2>豪華フォトブックレット:シリアルNo付(20p) ◆<初回限定特典3>DVDオリジナルポストカード3枚 ヒントン・バトルのキャッシュ 使い方 サイト名 URL ヒントン・バトルの掲示板 名前(HN) カキコミ すべてのコメントを見る ページ先頭へ ヒントン・バトル このページについて このページはヒントン・バトルのインターネット上の情報を集めたリンク集のようなものです。ブックマークしておけば、日々更新されるヒントン・バトルに関連する最新情報にアクセスすることができます。 情報収集はプログラムで行っているため、名前が同じであるが異なるカテゴリーの情報が掲載される場合があります。ご了承ください。 リンク先の内容を保証するものではありません。ご自身の責任でクリックしてください。
https://w.atwiki.jp/hmiku/pages/29520.html
【検索用 もしもひとりのこされてせかいかうそしゃないなら 登録タグ IA NexTone管理曲 VOCALOID n.k も 曲 曲ま 殿堂入り 黐月ほの】 + 目次 目次 曲紹介 歌詞 コメント 作詞:n.k 作曲:n.k 編曲:n.k イラスト:黐月ほの 唄:IA 曲紹介 雨の季節にほんの少しのノスタルジーをどうぞ。 曲名:『もしも一人残されて、世界が嘘じゃないなら』(もしもひとりのこされて、せかいがうそじゃないなら) n.k氏の3曲目。 サムネのイラストはPIAPROより黐月ほの氏の作品を使用している。 歌詞 (PIAPROより転載) もしも一人残されて 世界が嘘じゃないなら ボクは雨に混ざり溶けたい キミを忘れたいよ 窓ガラスはマーブルに 光る雲はオレンジに 切り取られた視界 耳鳴り 雨が歌う ボクは悲しくて鳴いた 誰もいないこの世界 手を伸ばせば、確かにキミはココにいたよ 鳥も虫も風さえも 消え失せては織り成す 幾度巡る時の中 絶望に輝く 生まれて囁き奏で 命の流転 雨音 ボクはただ見守ることだけ 夜毎流れてゆく 始まりは水の雫 空弾く光の粒 キミは重なって消えていく 歌が響く ボクは嬉しくて鳴いた 世界は再び芽吹く 手を伸ばせば、確かにキミがココにいるよ 鳥も虫も風さえも 消え失せては織り成す 幾度巡る時の中 絶望に輝く 遥か遠くの声 もしも一人残されて 世界が嘘じゃないなら ボクは雨に混ざり溶けたい キミを忘れないよ コメント おおお!! -- 名無しさん (2014-06-11 21 38 00) 綺麗だな。優しい。 -- 名無しさん (2014-06-14 21 43 33) サビがしっとりしてて綺麗 -- 名無しさん (2014-08-25 13 07 48) 凄い好き -- 名無しさん (2014-10-26 12 04 20) 大好き -- 名無しさん (2014-10-26 12 46 18) 綺麗。ほんと好き! -- 名無しさん (2015-01-22 07 14 31) 雨音もいいし心地いい曲 -- 名無しさん (2015-02-07 09 37 29) すごく綺麗で優しい!感動しました! -- 名無しさん (2015-02-07 10 07 42) この曲は感動できる!あんまり有名じゃないけど、もっとみんなに聴いてほしい! -- もか (2015-04-06 07 45 49) n.kさんの曲の中でも特に好きな曲!みんなに聞いてほしい… -- 名無しさんさん (2015-08-29 18 27 43) 雨音が綺麗 -- 名無しさん (2015-12-05 17 48 25) 伸びろ -- 名無しさん (2016-01-05 19 38 50) 綺麗 -- 名無しさん (2016-06-25 13 57 59) いいっすね〜^ ^ -- 名無しさん (2016-09-18 21 40 08) かなりいい曲なのですが…なぜ人気が出ないのでしょう、それが謎で謎で仕方が無いです -- ボカロ好き (2016-11-10 06 32 06) ↑それなっ!! -- 櫻宮 (2016-11-10 18 11 59) 伸びろー! -- 名無しさん (2016-11-10 22 06 44) もしかしたらボカロで一番好きかもしれないってくらい好きな曲。世界ってやっぱりどこか不思議で、まさにこのタイトルのような事を考えることがあります。素敵な歌詞もしっとりとした曲調も大好きです。隠れた名曲。本当に。 -- あるてぃめっと名無しさん (2017-03-03 22 43 58) やべーなんか、泣きそうだわ…刺さる… -- 暇人# (2018-04-11 18 20 25) 綺麗な曲だ… -- 名無しさん (2021-06-12 07 44 32) 名前 コメント コメントを書き込む際の注意 コメント欄は匿名で使用できる性質上、荒れやすいので、 以下の条件に該当するようなコメントは削除されることがあります。 コメントする際は、絶対に目を通してください。 暴力的、または卑猥な表現・差別用語(Wiki利用者に著しく不快感を与えるような表現) 特定の個人・団体の宣伝または批判 (曲紹介ページにおいて)歌詞の独自解釈を展開するコメント、いわゆる“解釈コメ” 長すぎるコメント 『歌ってみた』系動画や、歌い手に関する話題 「カラオケで歌えた」「学校で流れた」などの曲に直接関係しない、本来日記に書くようなコメント カラオケ化、カラオケ配信等の話題 同一人物によると判断される連続・大量コメント Wikiの保守管理は有志によって行われています。 Wikiを気持ちよく利用するためにも、上記の注意事項は守って頂くようにお願いします。
https://w.atwiki.jp/tarupa/pages/133.html
ただの妄想じゃないの? 精神医学的には統合失調症。オカルト的には式神、使い魔。人の強い念から生み出された精霊。 様々に言われます。真実はわかりません。Don t think. feel.
https://w.atwiki.jp/8a8b2c3d8791/pages/266.html
#blognavi みんな、私がいなくて、寂しくて泣いていなかったかい? どうも、こんばんは、よです。 いやあ、腰が痛くなっちゃた。気をつけなきゃ。 うーん、もうあと2ヶ月で2006年も終わりかあ。 …………あっと言う間だったな。そのあいだに友達には彼女ができるし、別の友達はお見合いなんかしっちゃているし何やってんだ自分!!!! 恋よりも、まず自分の人生何とかしなくちゃな、基本的に。 本日の私信;bauuさん………毎日が、痛いです。椎間板ヘルニアだけはならないようにしなきゃならない。とりあえず、中腰が一番いけないらしい。 カテゴリ [うは] - trackback- 2006年11月06日 21 15 49 つーか、いつのまにか3000回っているし。ありがとうございます!みなさん! -- よ (2006-11-06 21 22 52) もう働いていたのね。彼女,ほしいなぁ。 -- mioka (2006-11-06 23 04 09) 腰を酷使なさっているのね・・・うふふふ・・・。 -- bauu (2006-11-08 00 04 47) 名前 コメント #blognavi
https://w.atwiki.jp/yuiritsu/pages/80.html
SS51 言えないよ 「私、律のことが好きなんだ」 「そうなんだ。でも、それは私に言うよりもりっちゃんに直接伝えないと」 休日に呼び出してまで何を今さら… 澪ちゃんがりっちゃんの事をそういう意味で”好き”なんてことは出会ってすぐのころから知ってるよ。 今まで長い時間りっちゃんと一緒に居たはずなのに、なんで今さら行動しようとするんだろ? ――――りっちゃんは私のものなのに―――― 「それはそうなんだけど…いざ言うとなると恥ずかしくて…律に嫌われたらどうしようって不安で…唯はどう思う?」 ”どう思う”って別に私に何言われても気持ちが変わることは無いんでしょ? 「私は…りっちゃんじゃないからわかんないよ。断られるにしても、澪ちゃんの事を嫌いになったりはしないんじゃないかな?」 「そうかな?律は私の事好きかな?」 ああもう、何でそんなに話が発展してるの? りっちゃんが澪ちゃんの事を好きだなんてありえないんだよ。 「好きなんじゃないかな?どういう好きかはわかんないけど…」 言いたいよ。昨日も一昨日も、りっちゃんは私の腕の中で寝たんだよって… りっちゃんはとっても甘えんぼさんなんだよって。 「唯?どうかしたのか?」 「…何でも無いよ。ごめん澪ちゃん。私、部屋に人を待たせてるんだけど…連絡していいかな?」 「人?もしかして彼氏か?」 「うん。そんなところ」 「唯に彼氏!?…意外だな」 意外なのは澪ちゃんだよ。りっちゃんの事は全然気が付かないのに、なんでそういう所だけ感が良いのさ。 まぁ、”彼氏”じゃなくて”彼女”なんだけどね。 「急に呼び出して悪かったな。でも、唯の彼氏ってどんな人なんだ?」 その質問に答えたら、澪ちゃんはどんな反応してくれるの? 別に殴られたっていいけど、りっちゃんに余計な人の事考えさせたくないし…とばっちりで私達の関係に何かあっても困るから。 ――――言えないよ―――― end
https://w.atwiki.jp/akatonbo/pages/1157.html
保守だけじゃなくて 作詞/40スレ423 もういいよ 僕が来たから 君の努力は受け継いだ 無駄にはしないよ 大丈夫 君だけじゃない 無駄にはしないから そんな寂しいことばじゃなくて 「保守」とか簡単なことばじゃなくて もっと気持ちのこもった言葉はないかな 夢とか希望とかそういうものが こもった明るい暖かい言葉はないかな 君の伝え方が一番なのかな 君の言葉が分かりやすいかな だけど僕は探し続けるよ永久(とわ)に
https://w.atwiki.jp/gone0106/pages/127.html
第六十一話 邪魔をするんじゃない!! 投稿者:兄貴 投稿日:09/02/15-09 54 No.3845 『マ、マズイ! コレは非常にマズイ最悪の状況です!! ここ世界樹広場を除く5つの防衛ポイントが敵に占拠されたとの情報が入って来ました! 残るこの広場を占拠されてしまえば、全て終わり! 我々の負け! ジ・エンドです!! このまま我等が学園防衛魔法騎士団は火星ロボ軍団の軍門に終わってしまうのでしょうか!? やはり突如敵が装備した強制退場のルールは厳しすぎたかビックリ?』 当初はただの脱げビームだった火星軍団のロボットもいつしか特殊弾を装備して生徒達に襲い掛かっていた。 その威力は激しく、生徒達は次々と退場させられて、防衛ポイントで生き残っているのは一つしか残っていなかった。 だが、そこにはまだ諦めずに戦う者たちが居た。 「へっ、何言ってんの、朝倉・・・ココのロボはあらかた制圧したっての♪」 「おうよ!」 「まだまだ余裕だぜ!!」 新生大グレン団の男達、そして意外な活躍を見せる裕奈たちが中心となり、迫り来るロボ軍団を見事撃退していた。 『おっと皆さん! ここで重大なお知らせが入りました!』 突如告げられる司会の言葉に全員が耳を傾ける。 すると学園の様々な場所に設置されているオーロラビジョンに二人の男と女の顔写真が映し出された。 「おいアレ!」 「そうだよ・・・社長じゃねえか!」 「ねえねえ、美砂!」 「うん、シモンさんも!」 「リーダーじゃねえか・・・」 学園中に同時公開されるシモンと超の顔写真、その二人のことをほとんどのものが知っていた。 その映像に皆が首を傾げていると、朝倉がたった今、夕映から来た連絡をそのまま伝える。 『只今入った情報によりますと、黒幕の正体が発覚しました!! それはなんと誰もが知る超包子のオーナーにて、学園最強の頭脳を誇る超鈴音!! そしてもう一人は・・・え~、新生大グレン団リーダー、え~、天を突く男・・・穴掘りシモン! この二人の人物こそがこの戦いの黒幕だそうです!!』 カンペを読みながらシモンのことまで公表する朝倉。その情報に参加者だけでなく、他の生徒達にも衝撃が走った。 「エ~!? 超とシモンさんが!?」 「意外すぎ!」 「ていうことはアレか? その二人をとっ捕まえればいいのか?」 超だけでなくシモンも絡んでいることに彼を知る生徒達に動揺が走る。すると朝倉は混乱を無視して更に告げる。 『その通りです! 終わりのないマラソンレースかに思えましたが、この二人を捕まえさえすれば、我々の勝利なのです!! 残り一つの防衛ポイントが占領される前に、是非この二人を見つけ出すのです!! この二人の居所を見つけた場合、特別賞金が出されます!! これは戦闘に参加していない生徒も参加可能です!!』 シモンと超、敵同士ではあるが二人を同罪に仕立て上げることにより、学園総動員で二人の行方を探し出すことにした。 さらに二人が戦っているとすれば、派手な二人の事だ、生徒達全員で探せば直ぐに見つかるはずだとネギは確信していた。 そして案の定、特別賞金に目がくらんだ生徒達も動き出す。 「よっし、それじゃあ行くぞ!!」 「部の皆にも連絡しろ! 人海戦術で探すんだ!!」 「ぜってー、見つけてやるぜ」 携帯を手に持ち多くの者がついにシモンと超を探し始めた。 この状況にグレン団は持ち場を離れられないことに歯痒さを感じていた。 「やべえぞ、リーダーまで同罪にされちまってる!」 「落ち着け、薫ちん! 俺らはここを守るって決めただろ!!」 「でもよー、・・・くそっ・・・頼むぜリーダー! 捕まる前に勝ってくれ!!」 ここが占領されてしまえばそれでも負けになってしまう。 任された以上、自分達はここで命を張るしかない。豪徳寺は拳を握り締めながら、学園のどこかにいるであろうシモンに願った。 しかし人の心配ばかりしている暇はない。 「来た来た来たよー!」 「デカいの来たーー!」 「うお!?」 その時、広場の下から叫ぶ声がしたのでそちらを見ると、桜子、円、美砂の3人が走って来た。 その後ろには両腕が捥がれているものの一歩一歩近づいてくる巨大ロボット。 先ほどまでは味方だったはずだが、どういうわけか敵に戻っている。 「あんな大きいのまで来た・・・、裕奈どうする?」 「なんの! ここで退いたら退場した亜子たちに申し訳ないよ!」 近づく巨大ロボに怯んだ生徒達に裕奈が声を出す。すると巨大ロボは少し離れた場所から口を開き巨大なビームを放出してきた。 「やべっ、脱げビームだ!!」 「くっ、一次撤退だ!?」 「みんな怯んじゃダメだって! ここで私達が戦うんだよー!」 だがその声はあまり響かない。相手の巨大さ、そして服を脱がされた生徒達は次々とその場から逃げ出していく。 裕奈はそれでも勇んで攻撃を続けるがそれでも巨大ロボは近づいてくる。 もうダメか? 諦めかけたその時、同じマークを着けている男達が広場の前に立ちはだかった。 「お兄さん達・・・?」 「ゆーな☆キッド、ここは任せな!」 「そうだね、グレン団の後始末は我々がしなければ」 豪徳寺、山下、達也、ポチ、そして剣道部の辻を先頭に、グレン団の男達はゆっくりと近づいてくる巨人の前に立ちはだかる。 わずかな間だけ仲間だった魔道グレンを彼らは迎え撃とうとする。 「ちょ、お兄さん達! でもあんなんどうやって!?」 「そうそう、あんなの止められっこないよー!?」 次々と現れる男達。奇妙にも彼らは服の一部に同じマークを皆が付けていた。サングラスを掛けた炎のドクロマークだった。 すると裕奈や美砂達の不安の声を聞いて豪徳寺たちはニヤリと笑う。 「山ちゃん、いや・・・野郎共!! こんな時、リーダーなら何て言う?」 「ふっ、そんなもの決まっているじゃないか・・・無理を通して道理を蹴っ飛ばすだ」 彼らは知らない。 超の計画の内容も、魔法も、過去の改変も何も知らない。 シモンたちの正体も知らない。 彼らが分っているのはシモンが戦う超鈴音はグレン団を否定して、喧嘩を売ってきた者ということだけである。 だが、彼らにはそれだけの理由で十分だった。 「おうよ! そして俺達はな、リーダーの魂に! 美空ちゃんの足に! シスターシャークティの母性に! ココネちゃんの可愛さに! ブータの根性に! そしてヨーコさんのおっぱいにベタ惚れなんだよ!!」 「リーダーと美しきレディーのため、そして・・・我々の誇りのため!」 「おうよ! 命ぐらい、無限に賭けてやろうじゃねえか!!」 「そして・・・勝つのだ! 全員生き残って・・・」 「そうだ、ヨーコさんに言われたしな!」 次々と集結する男達、 その後姿に裕奈や美砂たちだけでなく、他の参加者たちも一斉になって注目していた。 すると巨大ロボはこちらを感知してレーザーを再び撃とうとする。 「どうやら俺らを認識したみたいだぜ!」 「へん、上等! だったらタップリ教えてやろうじゃねえか!」 「そう・・・俺達を・・・」 「「「「「「「「「「俺達を、誰だと思っていやがるッ!!!!」」」」」」」」」 同時に叫ぶ数十人の男達の魂の叫び。 その熱き想いを乗せて、一斉に気合を放出させる。 「極・漢魂!!」 「W烈空掌!!」 「怯むな! 撃ちまくれーー!!」 「グレン団の意地、見せてやるぜぇ!!」 咆哮する男達、その姿は紛れもないグレン団らしさを滲み出していた。 しかし今回は全員がヨーコに言われたとおり、勝利と全員の生還のために、強大な敵に立ち向かっていく。 その後姿に一瞬呆けていた裕奈たちだが、直ぐに武器を握り直し、彼らとともに最終防衛ラインへ向かい、巨大ロボに共に立ち向かっていく。 超とシモン、二人の喧嘩だけでなく、今日起こった全ての戦いを上空から眺めているエヴァンジェリンは酒を飲みながら実に上機嫌だった。 「ふっ、一昔前なら、あんなやかましい雑魚どもなど不愉快なだけだったが、こうしてみると中々活きが良いではないか」 「ケケケ、御主人モ茶々丸ミテエニ変ワッタンジャネエカ?」 「ふん、少し見方が変わっただけだ。力なくともその魂を振り絞るんだ、少し見ていて気持ちがいいということだ」 世界樹広場で戦う男達の叫びはここまで聞こえていた。 そして誰もが自分の惚れた男が掲げるシンボルにふさわしい熱さを持っていることに、気分が良かった。 そして次にもう一つの戦いに視線を向ける。 そこには意地を張り続ける少女と、自分の惚れた男が夜空を舞台に戦っている。 「あっちも中々激しいな。それにぼーやは間に合うのかな? くっくっ、私が事態の帰結に興味を持つとはな・・・」 「ヤッパ変ワッタナ・・・御主人・・・」 力なき路傍の小石などは以前のエヴァなら関心を持たなかっただろう。 しかしその一つ一つが精一杯尖がって、大岩を打ち砕こうとする姿に、胸が熱くなっていた。 世界を左右させるかもしれぬ大喧嘩を酒の肴に、エヴァは一人盛り上がっていた。 するとこの酒の場に入りに来た一人の老人が現れた。 「うむ、しかし良いのか? 超君の計画が成功すれば可愛い弟子とは会えなくなるぞ?」 「むっ、・・・じじいか、キサマも高みの見物か?」 「ふおっ、ふぉっ、ふぉっ、流石にこの年で熱血に乱入するには血が既に枯れてるんでのう。ワシに出来ることは全ての責任を取るだけじゃ」 全てを次の世代に託し、学園長も静観を決めることにした。 エヴァの隣に座り、熱気に満ちた学園を見下ろす。 そして・・・ 「さて、あちらも随分と熱くなっておるのう。 荒ぶる生徒達だけでなく、孫が惚れた男の情熱を見ながら一杯というのも中々じゃ」 飛行船の上で飛び交う二人の戦いを学園長も見守ることにした。 この戦いの始まりの原因にして全てを決める二人、奇しくも二人共この時代の、そしてこの世界の人間ではない。 その二人がこの世界の行く末を決定させるとは実に奇妙なことだった。 しかしエヴァは酒を飲みながら地上にいる、ある少年に視線を変える。そして隣に座る学園長に向けて、自信満々に告げる。 「だが、このままでは終わらんさ。まだぼーやも残っている。 ぼーやの師匠を誰だと思っているんだ?」 今を駆け抜ける者達が必ず天空で戦う二人の下へ行くはずだと、エヴァは確信していた。学園長もその言葉に頷いて、事態の帰結を見届けることにした。 そして、二人の前に一隻のセスナが横切った。 そして超とシモンの二人の舞台を旋回して、マイクの音量を最大限にして学園全体に報告する。 「こちら麻帆良大航空部部長! 発見しました! ターゲットを目視で確認! シモン、超鈴音、両名世界樹直上、4000メートルの巨大飛行船上に発見!!」 学園全体での大捜査なのだ。いかに地上から4000メートル上空に居ようとも見つからないはずはない。 その報告は瞬く間に地上の戦士達の耳に入った。 「ネギ先生!」 「はいっ!!」 「シモンさんと、超が見つかったって!?」 「リーダー・・・」 「振り向くな山ちゃん! リーダーを信じろ! 俺達は俺達のやるべきことをするんだよ!!」 シモン、超、両名の発見に様々な反応を見せる生徒達。 すると遥か上空の戦いが巨大なスクリーン画面に映し出された。 『さあ、ついにラスボスを発見しました! ・・・えっ・・・こ・・・これは・・・、え~、只今入りました情報によると、事態が変わりました。なんとラスボスの両名が遥か上空で既に戦い合っているとの事です!!』 超とシモンの争いを知っている者はそれほど大した反応は見せないが、事情を詳しく聞かされていない裕奈やアキラたちはその報告に目を丸くした。 そして映し出された生の映像に目を向けると、星型のサングラスをつけ、ドリルを持ったた男と、全身に刺青のような模様を浮かべている少女が激しい争いをしていた。 そしてその映像に映る超の姿にネギたちは驚愕した。 「あ・・・あれは!!」 「ちょっ、何よ!? 超の身体になんか浮かび上がってるわよ!?」 「バ・・・バカな・・・超の全身に・・・呪文処理が施されている・・・」 画面に突如浮かび上がった映像。 それは超鈴音が妙な紋様を体に浮かべて、詠唱している姿だった。 それは、二人の姿が発見される数分前に起こった出来事だった。 「どうやらさっきのネギたちとの戦いが効いたみたいだな。もうそのタイムマシンも使えないみたいだな・・・・」 ドリルを肩に乗せながら、シモンは激しく呼吸する超を見下ろす。 「特殊弾も弾切れみたいだな・・・それでもまだめげないか?」 「くっ、・・・はあ、はあ、・・・まさか・・・これほどとはネ・・・、いや・・・これも予想の範囲内ネ・・・」 膝を突きながら睨み返す超、その周りには背中に装備していたはずのブースターが壊れて転がっている上に、空の薬莢が当たりに散らばっていた。 「だが・・・もうお前には何にも残されていないぜ? タイムマシンも、特殊弾も、科学兵器も、お前の偽りのグレンラガンと共に俺達は全てぶち破った! どうする気だ? 気合でも振り絞るか?」 シモンやネギと違い、道具に頼って戦う超に、戦いの中での進化は起こらなかった。超の手の内は奇しくも昨日の戦いで全てを把握していた。 だからこそ、進化し続けるシモンに、同じ手が通用することはなかった。 それがこの状況を作り出した。 「ふむ、・・・たしかに・・・このままでは・・・・。ふう、しょうがない・・・出し惜しみのつもりは無かったが・・・」 「ん?・・・なんだ?・・・」 空気が少し変わった。 超が何かを覚悟したような目をすると、何かを呟き出した。 「コード∥∥∥∥∥|呪文回路解放、封印解除。ラスト・テイル・マイ・マジックスキル・マギステル」 超を中心として紋章と光が浮かび上がる。 いくらシモンでもこれが一体何なのかは直ぐに分った。だが、予想外のことに驚きを止めることは出来なかった。 「契約に従い我に従え炎の覇王(ト・シュンボライオン・ディアーコネートー・モイ・ホ・テュラネ・フロゴス)、来れ浄化の炎(エピゲネーテートー・フロクス・カタルセオース)、燃え盛る大剣(フロギネー・ロンファイア)」 「まさか・・・おまえ!!」 「ふっふっふっ、私が魔法を使えるとオカシイカ? 私はネギ坊主とサウザンドマスターの子孫ヨ?」 顔に奇妙な模様を浮かべ、超は不敵に笑った。 「ほとばしれよ(レウサントーン)、ソドムを焼きし火と硫黄(ピュール・カイ・テイオン・ハ・エペフレゴン・ソドマ)、罪ありし者を死の塵に(ハマルトートゥス・エイス・クーン・タナトゥ)」 呪文を唱えるにつれ、激しい光の炎がし収束されていく。 (まずい! このままじゃ、・・・だったら!) 魔法にそれほど詳しくないシモンだが、超から発せられる空気に、尋常でない威力を察し、迷わずに胸元にあるコアドリルを握り締めた。 超の詠唱と同時に、シモンも叫びコアドリルから発せられる光に包まれていく。 「友の力が与えてくれる、天の光の星と共に、無限の闇をも光に変える!!」 コアドリルから発せられる爆発的な光にシモンも包まれ、その目に星型のサングラスが浮かび上がった。 そして超とシモンが同時に叫ぶ。 「燃える天空(ウーラニア・フロゴーシス)!!」 「天上天下一騎当神超銀河!! 俺を誰だと思ってやがる!!」 超の放った巨大な魔法、その威力はかつてシモンが、ネギとエヴァの戦いで見た呪文よりも遥かに上回る力だった。 だが・・・ 「超銀河螺旋フィールド!!」 しかしその炎の中、シモンは服を多少焦がしたものの、ほぼ無傷で強力な螺旋フィールドに包まれて姿を現した。 「ハア、ハア、・・・ふっ・・・そうか、アナタにはまだそれがあったカ」 「テメエ、こんなカードを持ってるとはな。やるじゃねえか!」 「お褒め預かり光栄ネ! さあ、こっちも止まらないヨ!!」 本来超が呪文を扱うことは異常事態なのだが、それをシモンが知るはずは無い。むしろ未だに切り札を持った超に感服した。 だからこそ、超の激しい疲労には気付かない。 超も必死にそれを隠そうとする。 「ラスト・テイル・マイ・マジックスキル・マギステル!!」 再び呪文を詠唱する超。その体に疲労が一気に蓄積されていく。 だが、超は弱みを決して見せない。自分の弱い姿などこの男には見せたくないという意地で全身を支えていた。 だからシモンも一歩も引く気はない。 超銀河モードとなったシモンは巨大なドリルを二つ具現化し、二つの螺旋槍を構える。 そして更に全身を包むオーラから無数のドリルが伸びていく、フルドリライズ形態だ。だが今回は少し違う。フルドリライズのドリルがそこから更に枝分かれし、その先端の一つ一つ全てが砲台のような形となった。 無数に光り輝く螺旋力 シモンは全てを放出させる。 「メールシュトローム砲、メガボルテックスキャノン、準備よし!! 過去も未来も魔法も、時空間ごと一気に捻じ切ってやる!!」 超もその光景に苦笑いを浮かべながら全身に駆け巡る痛みに耐えて、呪文を詠唱する。 そして大量の炎の矢を、一気にシモンに放つ。 そして同時にシモンも放つ。 「魔法の射手(サギタ・マギカ)、連弾(セリエス)、火の59矢(イグニス)!!」 「超銀河螺旋砲!!」 天空の戦いの光が、夜の学園に光を照らしていく。 両者の螺旋力と魔法のぶつかり合いが世界を揺るがした。 だが、その競り合いに負けたのは超。 超銀河の圧倒的な力の前には流石に分が悪い。だが、彼女の目に「退く」という単語はまったく浮かび上がらない。 激痛に耐えながら直ぐに体勢を立て直して、再び呪文を唱えていく。 その光景をモニター越しで眺めている者たちは、皆唖然としていた。 「す・・・すげ~~」 「こ・・・これCGだよね?」 「派手すぎだって! シモンさんも超も、スゲー!」 なぜ黒幕同士の二人が争っているのかは分らない。しかし二人の振るう余りにもリアルに見える、リアルな大激戦に、ほとんどの者が当初の目的を忘れて映像に食い入るように見ていた。 「ちょっ、どうゆうことよ!? なんで超の奴も魔法使えんのよ?」 同じく映像に見入っていたアスナもこの事態に動揺する。 それは他の者も同じだった。 だが、ネギは違った。 ネギはとても冷たい声で俯きながら口を開く。 「超さんの全身に呪文処理が施されています。見たこともない魔法様式・・・いや、・・・科学・・・。どちらにせよ・・・無理やり魔法を使っているんです・・・」 「ネギ?」 この事態に淡々と説明するネギの様子にアスナたちは異変を感じ、ネギに視線を送る。 するとネギは拳から血が出るほど強い力で握り締めている。 「ネギ先生!?」 「ネギ君!?」 ネギの異常に刹那たちも慌てて声を掛ける。すると今度はネギが強く噛み締めた口から血が滲み出していた。 「ですが・・・呪文と引き換えに・・・激しい激痛が超さんを襲っているはずです・・・」 血が出てもお構いなしにネギは歯を食いしばり、拳を握る。 それは・・・怒りだった。 「どうして・・・どうしてこんなことをッ!!!」 「「「「!?」」」」 ネギが見せる怒りの表情、それはアスナたちが震えるほどの想いが込められていた。 するとネギは無言で杖を取り出して、上空に視線を送る。 「ネギ君、どうするん?」 「決まってます・・・もう、こんな悲しい戦いは・・・終わらせます!!」
https://w.atwiki.jp/keikenchi/pages/1269.html
今日、彼が知らない女と腕を組んで一緒に歩いているのを見かけた。 この親密さは、女友達というレベルではない。声をかけたいのを我慢してこっそり後をつける。 駅のホームで二人はベンチに座った。すぐ後ろの柱の陰にあたしがいることなど全く気づいていない。 耳を澄まして会話を聞いてみると、その女がペットも飼えるマンションに引っ越したので、 タブンネを引き取りたいということを言っているようだ。 「だいぶ長く預けちゃってごめんねー。タブンネちゃん元気にしてる?」 「元気元気!飼育係の○○さんがしっかり世話してくれてるからさ」 あたしの名前だ。飼育係? あたしが? あたしが彼から預かってるタブンネのことなの? まさか、まさか、まさか……。 「でもあんたわっるいわねー、自分じゃ飼えないからって人に世話押し付けるなんてさ」 「まあまあ、世間知らずのお嬢様にタブンネちゃんを世話する喜びを教えてあげたんだよ。 授業料払ってほしいくらいだぜ」 「ひっどーい」 あたしの頭の中がぐるぐる回り出す。世界が足元から崩れそうな気がした。 電車がホームに到着した音に紛れ、あたしはその場から逃げるように走り去った。 どうやって自分の家までたどりついたか、よく覚えていない。 泣き顔だけは人前で晒すまいと必死でこらえていたつもりだったが、それも自信がない。 とにかく家に帰ったあたしは玄関を閉めると、靴を脱いだところで、廊下にがくりと座り込んだ。 「そんな……どうして……」 思えば、確かに前々から怪しい兆候はあった。 私の家へ遊びに来た時に、「広くていい家だね」とやたら褒めていた事…。 それから間もなく、自分の所では飼えないからとタブンネを預けられた事…。 誰かと頻繁に、携帯電話でポケモンの話をしていたが、その口調も女に対するものだった。 「大学のサークルの女友達だよ」って言うからそれ以上追及しなかったけど…。 全てわかった。彼……いや、あいつはあの女のためにタブンネを預ける場所が欲しかっただけなんだ。 あたしは、甘い言葉に乗せられて有頂天になって、処女も捧げて、 タブンネの飼育係をやらされていただけだったんだ……なんてバカなあたし……。 涙で廊下がぐしょ濡れになるのも構わず、あたしは泣いた。 しばらくして携帯が鳴った。発信者を見てギクッとした。あいつからだ。 慌てて涙を拭い、できるだけ平静を装って電話に出る。 「もしもし……」 「よっ、俺だよ。突然で悪いんだけどさあ、明日タブンネちゃんを引き取りに行っていいかな。 実は預かってくれる人が見つかってさ。いつまでもお前に迷惑もかけられないし」 「うん……いいけど……」 「悪いな。明日10時に行くからよろしく、そんじゃ!」 言いたいことだけ一方的に言うと、素っ気無く電話は切れた。気遣いなど全くない業務連絡。 言葉には出さなくとも、もうあたしには興味がないのだとはっきりわかる。 (ああ、もう用済みなんだ。捨てられたんだ……) 惨めな思いがこみ上げてきて、あたしは携帯を取り落とすと、また涙に暮れた。 ひとしきり泣いた後、あたしはふらふらと立ち上がり、タブンネを飼っている部屋に向かう。 あたしの家はいわゆる旧家で、年季は経ているもののかなり広い。 両親が海外で駐在する仕事をしていて、帰ってくるのは年に一度か二度。 使っていない部屋も多く、タブンネが多少鳴き声を上げても近所に迷惑はかからない。 だからあいつに目をつけられたのだろう。あたしという飼育員つきの、格好の飼育小屋として。 タブンネを飼っているのは十二畳の和室。一隅に柔らかい毛布を敷き詰め、巣の代わりにしている。 側には一平方メートルくらいの平たい箱に砂を敷き詰めたトイレも用意してある。 親子5匹で使用するので、これくらいの広さが必要なのだ。 巣の側では、体長25センチ程の4匹のベビンネがじゃれあって遊んでいた。 そして巣に寝転がった母親タブンネが、その光景を目を細めて眺めている。 ベビンネ達はあたしの姿に気づくと「チィチィ♪」と口々に鳴きながら、私の足元にまとわりつく。 「ごはんちょうだい」のサインだ。乳離れしてオボンの実の味を覚えたからだ。 さらに催促するようにママンネも、手をパタパタさせ、ふわふわした尻尾を振る。 子供達同様に食事をせがんでいる。 タブンネ愛好家なら、たまらなく可愛らしい姿に見えただろう。 だが今のあたしの目には、それは飢えた豚の群れのように感じられた。 それに、半年間世話してみて、こいつらの性根がよくわかっていた。 こいつらは生まれながらに人に媚びる術を知っている。自分の容姿が武器である事を知っている。 ずる賢く餌をねだり、しかもそれを当然だと思っている連中なのだ。 ママンネのほうを見る。立ち尽くしているあたしに対し、まだ尻尾を振ってアピールしている。 その一見すると無心な目の輝きが、あたしに語りかけている。 「何やってんの、赤ちゃん達がお腹をすかせてるじゃないの、早くご飯持ってきなさいよ」と。 ああ、こいつらもか。あいつと同じだ。あたしをただの餌の運搬係だと思ってるんだ。 一方的に要求して自分の欲望だけを満たし、内心ではあたしを見下していたってわけね。 それでもあたしが突っ立ったままなので、ママンネは痺れを切らしたらしい。 ベビンネ達が遊ぶためのゴムまりを手に取って、あたしに投げつけた。左目を直撃する。 「痛っ!」 いかに柔らかいゴムまりとはいえ、目に当たってはさすがに痛い。あたしはうずくまった。 しかしそんなあたしの様子など全く気づかないのか、ベビンネ達は食事を催促し続けている。 左目を抑えながらママンネの方を見た。明らかに不機嫌な表情になっていた。 「もたもたしてるからそうなるのよ、この愚図!」とでも言いたいのだろうか。 (どいつも………こいつも………人を馬鹿にして………!!) あたしは自分の中に沸き上がる、どす黒い衝動を抑えられなくなっていた。 「いい加減に…しろおっ!!」 あたしは右足にまとわりついていた1匹のベビンネを鷲掴みにして、思い切り投げ飛ばす。 「ミギィィッ!?」ベビンネは壁に叩きつけられ、バウンドして畳に転がった。「チチィ…」と泣き出す。 驚く他の連中は逃げ出そうとしたが、間髪いれず3匹連続で蹴飛ばした。 「ヂヂッ!」「チィィ!」「ケホケホッ!」壁に跳ね返って転がり、腹を押さえ咳き込み、悶絶するベビンネ達。 ママンネが血相を変えて立ち上がった。「私の赤ちゃんに何をするの!」と言いたげだ。 ダッシュで捨て身タックルをかましてきた。あたしは軽くステップしてそれをかわす。 渾身の攻撃をかわされたママンネは、焦りの表情を見せながら、再び襲ってきた。 今度もあたしはかわすが、すれ違いざまにママンネの側頭部にハイキックを食らわせた。 自分自身の突進の勢いに、あたしのキックの威力が加わって、ママンネは壁に思い切り激突する。 「ミ、ミギィィッ…!」ふらついてこっちを向き直ったところで、今度は顔面に蹴りを見舞う。 ママンネは鼻血を噴き出しながら、もんどりうって畳に倒れた。 あたしはそのママンネを見下ろした。 「知らなかったでしょ?あたし、高校までずっと空手やってたのよ。全国大会で入賞したこともあるの。 乱暴な女だと思われたくなかったから、あいつの前では見せたことなかったしね」 言いながら、あたしはママンネの肉付きのいい腹に、右の正拳突きを叩き込む。 「ミボォォッ!」ママンネは呻き声を上げて悶え苦しむ。 「ねえ、あんた。もしかしてあたしが弱いってずっと思ってなかった? あんたがじゃれついてきた時、あたしが『うわー、やられた』とか言ってみせたもんだから、 あたしより自分がずっと強いって勘違いしてたんでしょ?餌係の奴隷だとでも思ってなかった?」 二発、三発、四発。あたしは容赦なく拳を腹にぶち込んでいく。 「ミグッ!グブ、グゲェ…ミィィ……!」ママンネはたまらず嘔吐した。 まだ消化しきっていない木の実などが混じった吐瀉物を畳の上にぶちまけ、吐きながらミィミィ泣き出す。 「もうっ!汚いわねっ!」 あたしはまだのたうち回っているベビンネを1匹つかむと、雑巾代わりにして畳を拭き始めた。 「チィ!チィィィ!」蹴られた痛みも回復しないうちに、乱暴に畳にこすりつけられたベビンネは泣き喚く。 「やめて!ひどい事しないで!」とばかりに、ママンネが助けようと手を伸ばそうとするが、 あたしはその横っ面に平手打ちを見舞った。 「ミミィッ!?」 「あんたが汚したんでしょ!?あんたの子に責任取ってもらうのは当然でしょ!」 ママンネはあたしにかなわない事を覚ったのか、ガタガタ震えてそれ以上逆らおうとしない。 ようやく畳を拭き終わる。雑巾ンネと化したベビンネはぐったりして「ミィ…フィィ…」と弱々しく泣くだけだ。 ピンク色の毛並みも母親の吐瀉物まみれとなって薄汚れ、悪臭を放っていた。 まだ起き上がれないママンネの回りに、残り3匹のベビンネが這いずりながら寄って来てチィチィ泣き始めた。 「ママ、いたいよぉ」「どうしてこんなめにあわなきゃいけないの?」とでも訴えているのか。 でもあたしの中の理性のブレーキはもう壊れていた。 もっともっとこいつらを苦しめなくては、地獄を見せてやらなくては気が済まない。 あたしは雑巾ンネを鷲掴みにしたまま立ち上がった。 「お願い、その子を返して」と言いたそうに、ママンネが手を合わせて哀願する。 「だったらあたしについて来なさい。その子達も一緒にね!」 冷たく突き放して、あたしはすたすたと歩き出す。 置いていかれては大変と、痛む腹を押さえてよろつきながらママンネが後をついてきた。 ベビンネ達もチィチィ泣きながら、ヨチヨチと母親の後に続いた。 あたしが向かったのは台所だった。 八畳ほどのスペースはあるが、一人住まいだし、あまり使っていない。 その隅に置いていた新聞袋から1週間分くらいの新聞を取り出し、雑巾ンネと一緒に、 ママンネの足元に放り出した。 「チィィ!」「ミィ、ミィ!」泣き声を上げる雑巾ンネを、抱き締めるママンネ。 だがお構いなしにあたしは命じる。 「さあ、この新聞紙を床に敷き詰めなさい。わかる?覆い隠すように敷くのよ」 我が子を取り戻した喜びも束の間、あたしの感情を読み取ったママンネは、 びくびくしながら新聞を広げて、台所の床に広げ始めた。 そう、しっかり敷きなさい。これからいろいろ汚すことになるんだから。 「逃げようなんて思うんじゃないわよ、いいわね」 あたしは言い捨てて、その場を離れた。 自分の部屋に戻り、外出着からラフなジャージとTシャツに着替えて、 道具箱からガムテープを取り出してから、再び台所に向かう。 油断のならないタブンネのことだから、隙を見せれば逃げようとするかもしれないが、 あの鈍重な体と短足で、しかも4匹のベビンネを抱えては逃げ切れまい。 連中は逃げてはいなかった。しかし、あたしが命じた作業を終えてもいなかった。 ママンネは新聞紙を敷くのを途中でやめ、雑巾ンネを舌でペロペロ舐めて、 吐瀉物と畳拭きで汚れた体の毛づくろいをしていたのだった。 たった2~3分、目を離しただけなのに、もう作業中断とは……。 あたしのこめかみに血管が浮かび上がる。 「サボってんじゃないわよっ!!」 あたしはママンネの顔面にサッカーボールキックを食らわせた。 「ミギィィ!!」悲鳴を上げたママンネは吹っ飛ばされ、壁に後頭部を打ち付ける。 「チィチィ!」「ミィミィ!」それを見たベビンネ達がまた、怯えて一斉に泣き出した。 あたしは、横たわって母親の愛を受けていた雑巾ンネを左手で引っつかみ、 右手でママンネの触覚を引っ張った。 「ミギィィ!!」敏感な触覚に激痛が走ったらしいママンネが、また悲鳴を上げる。 「1分で敷き終わりなさい!この子がどうなっても知らないわよ!!」 直にあたしの怒りが伝わってきたママンネは「それだけは許して」と言いたげに 手を合わせて謝り、ミィミィ泣きながら大慌てで新聞紙を台所に敷き詰め始めた。 「まったく…あたしの命令も忘れて、我が子を綺麗にするほうが優先ってわけね。 いいわ、じゃあもうちょっと綺麗にし甲斐があるようにしてあげようかしら。」 あたしは左手の雑巾ンネを、流しの中に顔面からドスンと叩き付けた。 「チギィッ!」一声呻いた雑巾ンネに、蛇口を捻って水を浴びせる。 そしてスポンジでゴシゴシと乱暴に雑巾ンネを洗った。 吐瀉物の汚れは落ちていくが、毛は毟られ、地肌を直に擦られ、水で息もできない。 「ヂィ!ミギィ、ゴボゲヒィィィ!!」様々な苦痛の入り混じった泣き声を雑巾ンネは上げた。 洗い終わって水を止めると、雑巾ンネは「ミヒィ…フィィィ…」ともはや息も絶え絶えだった。 それを尻目に、あたしはゴム手袋をつける。 この後の作業は、素手でやるにはちょっとハードなものになるからだ。 あたしは、さっき持ってきたガムテープで、雑巾ンネの両手をグルグル巻きにした。 両足も同じようにする。これでもう逃げることはできない。 そして冷蔵庫から、チューブ入りのねりからしとねりわさびを取り出した。 「チィ、チィィ…」許しを請うように雑巾ンネはいやいやをするが、その頭をあたしは左手で押さえつけ、 右手でねりからしのチューブを取り、雑巾ンネの体にありったけ絞って塗りたくる。次にねりわさびも。 そしてスポンジで思い切り擦って、ねりからしとねりわさびを雑巾ンネの体にすり込んだ。 「ミギャァァァァァァァァァァ!!!ピィィィギャァァァァァァァァァァ!!!」 その小さな体のどこから出るのかと思うくらい、激しい悲鳴を上げて雑巾ンネは暴れた。 雑巾ンネの悲鳴に、ママンネがぎくりとしてこっちを見るが、あたしに睨まれると視線をそらした。 しかしあたしはお構いなしに擦り続ける。水洗いでグチャグチャになっていた雑巾ンネのピンクの毛並は からしの黄色とわさびの緑色のツートンカラーが混じりあい、濁った黄緑色に染まっていく。 「ミヒ!ミ、ミギュァァァァ!!ピィィィィィィィィ!!!!」 あらかたすり込むと、あたしは泣き叫ぶ雑巾ンネの首根っこをつかむ。 そして、ようやく新聞紙を敷き終わったママンネの前に放り捨てた。 激痛で雑巾ンネは暴れる。両手両足をガムテープで縛られているので、海老のような動きしかできないが。 ママンネは抱き寄せて、先程と同じように、舌で舐めて我が子を綺麗にしようとする。 「ミィッ!?グハァ!!」 ところが、思わずママンネは雑巾ンネを取り落としてしまった。舌を突き出してハァハァ言っている。 そりゃそうでしょうね。人間の家の中で、甘い果実ばかり食べてヌクヌク生きてきたあんたにとっては、 こんな辛さは初めて出会う感覚なんだろうから。恐怖心すら呼び起こしているかもしれないわね。 だが母性本能のなせる業か、涙を流しつつも舌の苦痛をこらえ、ママンネは雑巾ンネに近づいた。 しかし今度は「ミヒィ!!」と叫んで鼻を押さえて尻餅をついた。辛い空気をもろに吸ったようだ。 チィチィ泣き叫びながら激痛にのた打ち回る雑巾ンネの目からは、ポロポロと涙がこぼれ落ちる。 痛みだけではなく、助けてくれない母親に対する絶望感が心を押し潰さんとしているに違いない。 「ママ!ママ!いたいよぅ!たすけてよぅ!どうしてなめてくれないの!?」 雑巾ンネの心の声が聞こえたような気がして、あたしは残酷な笑みを浮かべた。 あたしは冷蔵庫から1本の小ビンを取り出す。ジョロキアソースだ。タバスコの数百倍辛いという代物である。 ジョロキアの瓶の蓋を取り、1滴ずつしか垂らせないようにしてある瓶の口のプラスチックのカバーを外した。 「あーらら、冷たいママでちゅねえ。ボクが苦しんでるのに、好きな味じゃないから舐めたくないんですって。 酷いでちゅねー。こんなママにはバイバイしちゃいまちょうねー。」 そして床の上でのた打ち回っている雑巾ンネの喉首をつかむと、その両方の瞳めがけて、ジョロキアをぶっかけた。 「ミギャァァァァァ!!!!!!ィィィィィギァァァァァ!!!!!!」 サファイアのような青い瞳が、一瞬で真っ赤に変わって血の涙が流れる。 激痛によるショックで、毛細血管が破裂でもしたのかもしれない。 しかしあたしは容赦なく、ジョロキアの瓶を雑巾ンネに咥えさせると、残りを全部ドボドボ流し込んだ。 人間だってこんなことしたらただでは済むまい、ましてや小さな体躯のタブンネでは……。 「ミヒィ――――――ッッッ!!!!! ピィィィ――――――ッ!!!!!!!」 まるでお湯が沸騰した時の笛吹きケトルにそっくりな、甲高い悲鳴を雑巾ンネを絞り出した。 それこそ火を噴きそうな声で、雑巾ンネは狂ったかのように、ガムテープの拘束も引き千切らんばかりに暴れる。 「ヒィィ―――!!!!!……ィィィ……―――……!!!!」 しかし悲鳴は途中からかすれて聞こえなくなった。喉が焼けて、もはや声が出なくなったに違いない。 そして、おろおろするママンネの目の前で、ゴボッと血の塊を吐いたかと思うと、 雑巾ンネはそのまま動かなくなった。内臓がジョロキアで焼け爛れたか、ショックで心臓が止まったか。 いずれにせよ苦痛に満ち満ちた死に顔だった。30分ほど前には綺麗なピンクの毛皮をまとっていた体は、 今や薄汚れた黄緑色と血に染まった、それこそ酷使されたボロ雑巾のような姿になっていた。 「ミ……ミ…?……ミィィ……!」 ママンネは動かなくなった雑巾ンネに恐る恐る近づき、触覚を当てた。 「もう手遅れよ」 「ミ……ミッ………ミェェェェン……!」 あたしに言われるまでもなく、雑巾ンネから命の気配が途絶えたことがわかったのだろう。 ボロボロになった雑巾ンネを抱き締めて、さめざめと泣き出した。 「ミッ!ケホッ、ケホッ!ミィィ…」 辛い匂いに時々むせながら、物言わぬ我が子に何やら話しかけているようだ。 あたしはしゃがみこんで、ママンネの耳元で言った。 「何を今更。さっきはその辛さが嫌で、助けるのに二の足踏んだくせに。この死に顔見なさいよ。 ちょっとでも我慢して舐めてあげてれば、こんな絶望した顔にならなかったでしょうね。 『ママ、どうして助けてくれなかったの』って、あんたを怨みながら死んでいったんでしょうね」 「ミィ!?ミィミィ!!」 ママンネは「違う!違う!」と言いたそうにいやいやと首を振る。 その様子を見てあたしは溜飲が下がる思いだった。さて、次はどう料理しようかしら。 (つづく) 名前 コメント すべてのコメントを見る
https://w.atwiki.jp/jojobr3rd/pages/181.html
「私の名前は川尻浩作…杜王町に住むただの会社員…妻は川尻しのぶ、息子は川尻早人…」 奇妙な場所だ。 市街地、と言えばその一言で説明が付く。それは一つの事実だが、それでも正確にこの場所の奇妙さを説明しては居ない。 堅牢な石造りの、歴史を感じられる建物。 顔を上げて南に視線を移せば、闇夜に浮かび上がるのは円筒形の建築物。 ローマのコロッセオ ――― ある程度に知識があれば、そのように判断するだろう。 転じて南西に目をやれば、深夜故にはっきりとは分からぬものの、これまた古代ローマを思わせる遺跡群の影。 さらに知識があり、視界が開けていれば、それがフォロロマーノの遺跡群だと分かる者もいるかも知れない。 どちらも、有名なローマの観光名所だ。 しかし…。この先にある大きめの十字路からその向かいへと視線を伸ばす。 すると、そこから先は空間を切り取って貼り付けられたように、風景が変わる。 市街地。そして住宅街。 しかしその住宅街は、明らかに異質。この場所、或いは向こうに見えるコロッセオ等から判断できるローマの建築物ではない。 そこから先の区画は、明らかに日本の住宅街のそれなのだ。 ローマと日本。その境界線上付近の暗闇で、小さく呟く声が聞こえている。 怯えているのか? 或いは、放心、混乱してでもいるのか。 うわごとともとれる力のない声で、ただ同じ様な言葉を繰り返している。 まるで、自分自身が何者なのかを、自分に言い聞かせているかのようだ。 声の主、『川尻浩作』は確かに、本人の言うとおりただの会社員の様に見える。 スーツにネクタイ、革靴という、特に目立つところのない出で立ちで、路地の陰にひっそりと立っている。 唯一変わっているのは、首に鈍く光る金属の首輪が填められているという点のみ。 それ以外には、何の変哲もない男である。 顔立ちはスッキリとして比較的整っている。黒目が大きく、猫のようなアーモンド型。 短く刈り揃えた黒髪をジェルで立たせているのがある種の若々しを感じさせる。 体つきも太すぎず細すぎず。特別鍛えているようには見えないが、かといって貧弱とまでは言えない。 しかし、その表情は読み取れない。 暗がり。月明かりしか無い静まりかえった深夜だ。 彼の様子を事細かに見て取るのはなかなかに難しい。 ただの、人間であれば、だ。 「震えているのか…んん…?」 「!?」 不意に聞こえたその声に、びくりと反応する。 「だ、誰だ…!?」 辺りを見回そうとする男の顔周りを、丁度ぐるりと囲むかの様に、白い筋が現れていた。 白い筋。いや、それは月明かりに煌めいてようやくそれと分かるが、まるで中空に浮かぶ水流のうねりのようであった。 そのうねりの突端部分に、顔のようなものが見て取れる。 「見えるか~~~? 見えてねぇようだなァ~~~? キキキ…いいね、お前はいいぜ。 その不安げな…怯えた顔が良いッ!! いい気になってねェ~~~~って事だからなァ~~~~!!」 「ひぃっ!? ど、どこに居るッ!!??」 背広姿の男の声は引きつり、決して大きくない。大きくはないが、それを聞いた水流の顔が、殊更満足げに笑ったようだ。 「なあ、お前。自由っていいよなァ~~~? 川尻…浩作…って言ったか? 俺もよ、お前と同じ杜王町の住人よ。 ただ…長ェ~~~こと、別の場所に閉じこめられていたんでなァ~~~~。 今のこの自由のありがたさを、より実感できるって~ワケよ」 ゆらりゆらりと、空中に浮かんだ水流のうねりが、背広の男の周りを回る。 「好きなときに飯を食い、好きなときに屁をこいて、好きなときに立ちションベンが出来る…」 へたり込むように腰が落ち、震えながら動けない。 「そんで、好きなときにガキを犯して、好きなだけ人がブっ殺せるッッ!! てめーのガキに突っ込んで、てめーの女房に血反吐を吐かすのも俺の自由!! 自由!! 最高!! ギハハハハハ!!!!」 不意に、、勢いよく男の口に入り込む。 その感触にびくりと反応し、思わず両手を伸ばすが、時既に遅し。 水の塊は完全に男の中に進入してしまっていた。 「これでお前は、俺の操り人形よォ~~~~~!! お前の身体を操って、ムショでの憂さ晴らし、たァ~~~~ぷりさせてもらうとするかねェ~~~~~!! ギャハハハハハ……」 ボグン。 男の喉が、大きく膨らみ、身体から分離した。 ◆◆◆ 「腹の底からウププ…ってな笑いがこみ上げてくるよなぁ~~~。 こうも巧く、ハマっちまうとよォ~~~~」 背広の男は、先程までの慌てた素振りなど微塵も感じられない、落ち着き払った様子でそう告げる。 目の前で這い蹲り、なにやら黄色い粘土のようなもので手足の自由を奪われ、油汗を垂らしている屈強な男を見下ろしたままに。 「て…てめー…『スタンド使い』かッ…!? てめーもあの「学生服の男」に矢で刺されたのかッ…!!??」 「はぁ~ん、弓と…矢、ね。 聞いた事はあるが、俺は違うね。 こいつは、生まれもっての才能よ。 つまり、おめえとは年季が違うッて事だ…な!」 足元にある、ボール大の黄色い肉塊を蹴り上げる。 「ぎぃにゃあぁぁぁ~~~!!」 這い蹲った男が、悲鳴を上げてそのままの姿勢で飛び上がった。 あたかも、その肉塊の動きをトレースするかのように。 「おめえのこのひねチョビたカエルのションベンみてーなスタンド…水の姿で変幻自在、遠くにまで飛ばせるが…パワーは弱く、人間に取り憑くくらいしか能がない…。 …ってなところみてーだな。 ヒヒヒ…シケた能力だ。それじゃあ俺のスタンドにゃ勝てっこねぇぜ」 「ヒィ…ヒィィィ…」 立場は完全に逆転していた。 物陰に潜み、水のスタンド『アクアネックレス』を使って自分の操り人形に出来る獲物を探していた凶悪殺人犯の片桐安十郎(アンジェロ)が見つけた男、『川尻浩作』は、一見無力なサラリーマンのようで居て、恐るべきスタンドの使い手だった。 アンジェロはスタンド使いになって日が浅い。 死刑囚として収監されていた彼は、つい最近になって謎の「学生服の男」によって、この力を与えられた。 自分以外のスタンド使いとまともにやり合ったことは一度もないのだ。 「さぁ~って、どうするかな。 てめーを『操り人形』にする方法はあるにはあるが…」 アンジェロのスタンド、『アクアネックレス』を閉じこめた肉塊を弄びながら、『川尻浩作』が思案する。 「なんだか厄介そうな性格してるみてーだし…」 肉塊をボールのように手で跳ね飛ばしながら続ける。 「いっそ『喰っちまう』方がイイかもしれんよなァ~~~~!?」 ◆◆◆ 「『川尻浩作』…。こいつはとんでも無いゲス野郎だな…」 自らのスタンド、ムーディー・ブルースによる『リブレイ』を終えたレオーネ・アバッキオが、そう漏らす。 ここで、争いがあった。 足跡、僅かに折れ荒らされた茂みや地面。 それらは、或いは多くの人間なら見落とし、無視してしまう程度の痕跡であったが、元警官であるアバッキオにはやはり不自然なものが見て取れた。 リプレイ…過去にそこに居た人物の行動を再現するムーディー・ブルースの能力。 微かな「争いの痕跡」を発見したアバッキオが再生した事実は、あまりにもおぞましかった。 自分の身体の一部を操り、切り離し、自在に動かして肉を喰らうスタンド―――。 たしかに、先に襲いかかってきた「水のスタンド使い」も、決してまともな人間とは言えないゲス野郎だった。 しかしその『ゲス野郎対決』を制したのは、見るからに粗暴な筋肉男の方ではなく、一見ただの優男にしか見えぬサラリーマン、『川尻浩作』の方だったのだ。 生きたまま人間を喰う ―――。 パッショーネの中に、或いは自分が属しているブチャラティのチームの中にも、様々なスタンド使いが居るし、中にはやはり、目を背けたくなる様な能力を持っている者もいる。 しかし知っている中で言っても、この『川尻浩作』のおぞましさは、群を抜いていた。 厄介な奴が居る。 おそらくは強力なスタンド使いの手により突然拉致され、訳も分からぬまま殺し合いのゲームをしろと言われているこの現状。 その時点で十分に厄介だというのに、集められている奴らはと言うと、こんなおぞましいスタンド使い達なのだ。 ムーディー・ブルースは、元警官であるアバッキオの精神を体現しているスタンドだ。 証拠を集め、真実を探り当てる。それが能力の本質であり、決して戦闘向きではない。 1人で立ち向かい、あの『川尻浩作』に勝てるだろうか? 恐らく、相当難しいだろう。 何れにせよ ――― チーム。 チームの仲間がいるのであれば、まずは合流するべきだ、と考える。 いるのならば? いや、間違いなく居るはずだ。アバッキオは半ば確信的にそう思っている。 最初に集められたあの会場。あそこで殺された3人のうち1人。 それはつい最近彼のチームに入ってきた新入り、ジョルノ・ジョバァーナだったのだから。 「ジョルノ…」 アバッキオは思い出す。 最初は、その物腰や風貌に、でかい夢とやらを吹く事も相まって、軽んじ、また警戒もしていた。 しかし、ポルポの遺産を探し出し、ブチャラティが幹部となってからの、ボスの娘を護送する任務。 そして離反から、サルディニアへの旅…。 その何れの場面でも、ジョルノの『黄金の精神』は、的確な判断と性根の座った戦いぶりを発揮し、チームの窮地を救い、信頼を勝ち得ていった。 決して口には出していなかったが、今ならアバッキオもはっきりと言える。 ジョルノは、俺の掛け替えのない仲間だった ――― と。 その仲間が、殺られた……!! 今、アバッキオの心には『怒り』がある。激しく燃えさかる『怒り』がある。 だが…。 アバッキオが今やるべき事は、復讐ではない。 トリッシュを守り ――― チームと合流し ――― ボスを、倒す。 サルディニア島で、ナランチャが襲撃者を退け、ムーディー・ブルースの『リプレイ』を使い、ボスの顔を知ること。 その最中に起きたこの変事は、やはりどう考えてもボス、或いはボスの親衛隊によるスタンド攻撃 ―――。 そう見て間違いないだろう。 いつ、ジョルノが捕まったのか? どうやって我々をこんな場所へと移動させたのか? 分からないことばかりで、何も断定できない。 それでも ――― アバッキオは考える。 俺は『任務』をやり遂げる。それこそが俺達の『勝利』だからだ。 ◆◆◆ このとき、アバッキオは一つミスをした。 それをミスと断じてしまうのは酷かも知れないが、やはり一つ間違いを犯していた。 もし、ムーディー・ブルースの再生を、もっと過去の時間にまで遡らせていたら、『おぞましいスタンドを使うゲス野郎』の、本当の正体が分かっていたのだ。 変幻自在で熱にも冷気にも負けず、身にまとえば何者かに変身でき、或いは攻撃を防ぐ盾とも、敵を食らいつくす牙にもなる、スライム状のスタンド。 『イエローテンパランス』の『ラバーソール』。 帝王DIOに雇われ、承太郎一行を暗殺すべく付け狙っていた矢先に、彼はここへと運ばれた。 この異常時において、ラバーソールは一つのシンプルな回答を得ている。 つまるところあの眼鏡の男が「新しい依頼者」であり、「ここに集められた連中」を皆殺しにすれば、報酬が貰える。 要は、そういう事なのだ。 会場内に放り出され、一通り状況確認をしてから最初に出会ったのが、『川尻浩作』だった。 軽く締め上げて、情報を吐かせる。吐かせた後に、まずは一人目とぶち殺して、全て喰らってやった。 しばらくはあの男の姿を借りて、ラバーソールはひっそりと殺しをしてのけようと思っている。 見るからに凄味のある自分自身のハンサム顔は、目立つし警戒されるかも知れない。 或いは殺し屋としての自分を知っている者もいるだろう。 だからこそ、どう見ても平凡で、何の力も持たない一般人に見える『川尻浩作』に化けた。 そうすることで、さっきのアンジェロの様な間抜け野郎が、油断して近づいてくるかもしれないし、承太郎一行の様なお人好しの正義漢どもが手助けしようとしてくるかもしれないと、そう考えたからだ。 間抜けを出し抜いてブチ殺すのにも、こっそり集団に紛れるのにも、この姿はなかなか具合が良い。 『川尻浩作』の姿をした『ラバーソール』が、ちょっとだけ惜しく思ったのは、元々のターゲットの1人である承太郎が、先に殺されてしまったという事だ。 承太郎一行の始末もついでに出来ていれば、DIOからの報酬ももらえてウハウハだっただろう、と。 その事だけであった。 【川尻浩作 死亡】 【片桐安十郎 死亡】 【残り 136人】 【ローマ市街地(E-6の何処か)・1日目 深夜】 【ラバーソール】 [スタンド] 『イエローインパランス』 [時間軸] JC15巻、DIOの依頼で承太郎一行を襲うため、花京院に化けて承太郎に接近する前 [状態] 健康、『川尻浩作』の外見 [装備] [道具] 基本支給品一式×3、不明支給品3~6、首輪×2(アンジェロ、川尻浩作) [思考・状況] 基本行動方針:勝ち残って報酬ガッポリいただくぜ! 1.しばらくは、『川尻浩作』の姿でか弱い一般人のフリをさせて貰うぜ~~。 2.承太郎一行の誰かに出会ったら、なるべく優先的に殺してやろうか? 【ローマ市街地(E-6・中央)・1日目 深夜】 【レオーネ・アバッキオ】 [スタンド] 『ムーディー・ブルース』 [時間軸] JC59巻、サルディニア島でボスの過去を再生している途中 [状態] 健康 [装備] [道具] 基本支給品一式、不明支給品1~2 [思考・状況] 基本行動方針:チームと合流し、ボスを倒し、『任務』を全うする。 1.余計なことをする気はないが、この『川尻浩作』には要注意だな…。 ※川尻浩作の参戦時期は、エステ・シンデレラで吉良吉影に顔を奪われるより以前。 ※片桐安十郎(アンジェロ)の参戦時期は、虹村形兆に矢で射られてスタンド能力を得て、死刑執行されるも死なずに脱獄した時点。 投下順で読む 前へ 戻る 次へ 時系列順で読む 前へ 戻る 次へ キャラを追って読む 前話 登場キャラクター 次話 GAME START ラバーソール 058 Via Dolorosa GAME START 片桐安十郎 GAME OVER GAME START 川尻浩作 GAME OVER GAME START レオーネ・アバッキオ 049 Break My Body/Break Your Soul
https://w.atwiki.jp/lls_ss/pages/1171.html
元スレURL ルビィ「生徒会長は遊びじゃない」 概要 静真の生徒会長に就任したルビィ より良い学校を目指す彼女が敷いた体制とは… タグ ^黒澤ルビィ 津島善子 ^国木田花丸 ^渡辺月 ^短編 名前 コメント